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お宅訪問 七尾市松下邸

関軒建設お宅訪問

お宅訪問松下邸写真七尾市松下様邸

今回訪問したのは、鎧張の板壁に漆喰が美しい母屋。それぞれ別々の時期に手を入れ、後でつなげたとは信じられないほど全体が調和しています。

※2009年3月の訪問時

■松下邸改築の経過

平成8年 ■お客様のお泊りスペースとして離れを建てました(右)

平成12年 ■台所や居間などの住居スペースを建てました(中央)

平成20年 ■築100年が経っていた母屋を解体してその場所に建てました(左)

犬の太郎、猫のマリちゃん
犬の太郎、猫のマリちゃん
先祖から受け継いだ家を大切にしてきた松下様。
平成8年から20年計画で家に手を入れ始めたのですが、築100年を超える母屋や明治時代の大火をくぐりぬけて残った土蔵を壊してしまうことに、踏ん切りがつきませんでした。そこへ能登半島地震が発生し半壊状態に。「地震が背中を押してくれたという感じ」とご主人は言います。
新築にあたり避けたかったのは、それぞれの棟を後で繋いだとわかるようなちぐはぐな外観になること。そして、使える梁や材木などはできるだけ生かしたいという思もありました。「今あるのは親、先祖のおかげ。家に宿る先祖の息吹というものを少しでも新しい家に伝えられればと思って」とご主人。   松下邸外観

家を崩しながら傷をつけないように柱や梁を抜き、それを使うことがいかに難しいかは、素人にも想像がつきます。それだけに大工さんにとっては腕の見せ所、「昔の職人さんに恥じないような仕事を」と腕を振るったそうです。

昔ながらの造りを大切にしながら現代を生きる人の技術や感性でよみがえった家はシンプルでのびやか、建具や柱の直線が美しく交差しモダンな印象さえ与えます。

どっしりしているけど印象は軽やか

瓦の色を銀黒にしたのが大正解!全体に軽やかな印象になりました。屋根の上に並ぶ素焼きの兎や大黒様は前の家の屋根についていたもの。これからもずっと、この家を見守ってくれます。

外観屋根のアップ

玄関写真

わぁ!素敵な演出

足を踏み入れると「わぁ、旅館みたいやな」と誰もが口にします。障子を通した柔らかな光に心が和むステキな演出です。
玄関の奥は土間で、物置兼ご主人の仕事部屋になっていますが、障子の裏には何も置けないので、部屋のレイアウトがちょっと大変。

←以前は納屋の土間仕上げであった部分を玄関に改修しました。

●設計担当 石垣よりひと言

玄関は一番最初に目に入る大切な所。
9案ほど提案した中から選んでいただき、現場でスケールを当てながら円の位置を決めるなど、いろいろな角度から検討した結果、写真のような形になりました。
お客さまに満足していただき、私としてもやりがいのある仕事でした。

  玄関写真アップ
洗濯場写真

蒔ストーブで洗濯物がカラッと干せる

蒔ストーブの設置場所に迷った末、洗濯場に置くことに。冬の北陸で一番悩ましい洗濯物が乾かないという問題が解消し、建物全体の寒さも和らげてくれます。

温かく気持ちのいい感触

板張りの床は感触が違う!裸足で歩きたくなる気持ち良さがあります。磨きこまれた床や天井板に映り込む外からの光は、変化に富んだ自然の照明です。

板張りの床には傷がつき易いという難点がありますが、塗り直しがきくとのこと。

廊下の写真
廊下の写真

前の家の息吹を大切にしたい

梁をはずして再利用。柱を乗せるため削ってあった部分をそのまま残して、あえて見せています。前の家の息吹を残してくれたと、親戚中の人が感動。

居間の梁の写真 居間の梁の写真
   
欄間の写真  

部屋の雰囲気を壊さないシンプルな欄間

梁と小屋組、白い壁がかもし出す木造の簡素で伸びやかな雰囲気とぴったりの竹を使った欄間。

 

●設計担当石垣よりひと言

細工の込んだ欄間よりシンプルにまとめた方が良いのではと提案しました。枠を組まずに壁で巻き込んであるので、大きさを感じさせません。竹の数や間隔については何案か提案し決めていただきました。

絶対、吹き抜け

「低い天井は息苦しくて」と、吹き抜けしか考えていなかったご主人。趣味のオーディオも天井が高いのでホールのように響き、とてもいい音だと満足されています。

60キロもある自慢のスピーカーを収めた棚は特別仕様。

 

居間の写真

キャットウォークを提案

「高窓をつけて風と光を取り入れたい」「梁の掃除もしたい」というご要望から、キャットウォークを提案しました。キャットウォークから眺める梁や材木の構造は実に美しく、昔の大工さんが組立のために書き入れた数字に歴史を感じます。

キャットウォーク下からの写真   キャットウォークの写真

土蔵がなくなったので

キャットウォークに上がる階段まわりを利用した倉庫には、壊した土蔵に入っていたものを保管。先祖から受け継いだものを捨てるか残すか一つひとつ選別して整理するのが、精神的にも肉体的にも大変だったとか。

8年前に母屋を建てた頃は喫茶店が忙しく、まったくのお任せだったそうですが、使いやすく機能的な点が気に入っているとご主人。
   

一方こちらは、仲間を呼んでコーヒーをたてたりお祭りや法事で親戚が集まったり、特別の時間を過ごすための「ハレの日のスペース」。店を閉めて時間に余裕ができた二人からもいろいろな希望が出されました。じっくり家づくりと向き合い、担当者とのキャッチボールに時間をかけながら出来上がったのは、訪れた人みんなが「ここに居ると落ち着くね~」と口を揃える気持ちのいい空間。

居間の写真

夕方、天井に映る光の色が刻々と変わるのを眺めながら、ご夫婦でゆったりと趣味の音楽を楽しむ、こんな豊かな暮らしぶりが想像できる何とも羨ましい訪問でした。

レポーター 泉谷 浩美

ちょっぴり不満
風呂を作るところから始まって約一年間の工事期間は長かった!自分の家なのに自分の家でないみたいな感じ。我が家の場合は、居住空間を確保してからの工事なのでまだ良かったのですが、住まいをしながら建てていくのは絶対キツイ。家を触ると病人が出るというのはわかる気がします。

ひと言アドバイス
住まいをしながら工事を進めることを希望される方が多いのですが、ストレスも大きく覚悟が必要であることは事実です。理想的なのは、工事中は住まいを移されること。担当者にご相談いただければ引越し先のお世話もさせていただきます。